脱保湿について
ステロイド剤とともに、「保湿もアトピーには悪い!」と書いてある本やサイトをよく目にします。こういった本やサイトでは「アトピーは脱ステロイド、脱保湿で治す!」というような治療方針を掲げています。
しかし、私はこの考え方には反対です。
そもそもアトピーの人の皮膚は、多くの方が通常の皮膚よりも乾燥しやすくなっています。これは、もともと乾燥肌であったり、かいて皮膚を傷つけることにより、皮膚のバリア機能が壊れてしまっているからです。
通常、健康な皮膚では角質のバリア機能によって、水分の蒸発や外からの刺激を防いでいます。しかし、アトピーの乾燥している皮膚は、バリア機能が低下し、水分が逃げやすく、外部からの刺激に対しても弱く過敏になってしまっています。つまり少しの刺激でもかゆみが起こってしまいます。
このバリア機能を外から補い、かゆみの発生を減らしてくれるのが保湿です。
保湿は、それほど恐れる行為ではありません。肌にうるおいを補う行為であり、アトピーでない人も行っている行為です。女性であれば、毎日化粧水や乳液などで保湿する人も多いと思います。冬場は空気が乾燥しているため、アトピーでない人でも皮膚が乾燥し、かゆみが出る人が多くいます。そういった方々も、保湿を行い、かゆみを防いでいます。そして春、夏になると乾燥も減るため、保湿せずともかゆみはでなくなるのです。
このように、保湿はリスクの少ない、一般的な行為です。
しかし、「アトピーは脱ステロイド、脱保湿で治す!」と主張している方々は、ステロイドや保湿が、アトピーの根本原因であるように表現しています。断じてそうではないと私は思います。アトピーは、食生活を含めた生活習慣が主な原因です。その原因を探り、知り、完全の行動を続けていれば、アトピーは良くなっていきます。
かゆみや炎症の症状が減り、壊れた皮膚が再生を繰り返し、団猟区のある皮膚ができてきたら、そこで初めて脱ステロイドに挑みます。脱ステロイドが終わったら、脱保湿に挑む。この順番を間違えてはいけません。
私はこの順で自分のアトピーを改善していきました。
食生活と生活習慣の改善→アトピーの改善→脱ステロイド→脱保湿
の順です。
いきなり、脱ステロイド、脱保湿をしても、待っているのは、恐ろしいリバウンド体験しかありません。
リバウンドは症状が壮絶で、社会からの離脱もありえます。そんな覚悟を持ち、脱ステロイド、脱保湿に挑むくらいなら、覚悟をもって、食生活と生活習慣の改善に挑むべきです。
脱保湿は、あくまで最終段階です。それまでは、保湿はしっかりおこなうべきです。保湿により、荒れた肌の水分を補い、かゆみの発生を減らすべきです。保湿はあなたのアトピー症状を抑える手助けになってくれるのです。