食事の我慢をする方法
アトピー治療をしていく上で、やはり、「我慢」はどうしても必要になってきます。
私が行った治療の中でも、特に我慢が必要なのは、食事でした。これには本当にまいりました。(アトピー治療と食事に関してはこちら→食事について)
困ったことに、私は、大好きな食べ物が、アトピーに悪いものばかりでした。
ポテトチップス、チョコ、などのお菓子、サイダー、コーラなどのジュース類、ハンバーガーやピザ、カレー、パスタ、ステーキなどの洋食全般、洋菓子、和菓子などのデザート。。。どれもこれも、アトピーには悪影響でした。
好きな食べ物を我慢することは、とてもつらいこと。しかし、アトピーのためには乗り越えなければいけない壁。私のように、忍耐力の弱い人間でも、我慢できるための方法や考え方を探し、実践しました。
そして、コツをつかみ、徐々に我慢できるようになっていきました。それとともに、アトピーは加速して良くなっていきました。そんな私がたどり着いた我慢の方法は次の3つです。
「食べる」よりも「幸せ」なことをする
2010年、科学誌「サイエンス」に「人は何をしているときが幸福か」というテーマで調査した論文が載りました。世界中の統計で、ランキングが最も高かったのは「H」でした。2位は「運動しているとき」、3位は「おしゃべりしているとき」と続き、「食べているとき」は7位と意外と低いものでした。
上位は、その他「音楽をきいているとき」「散歩しているとき」「礼拝、参拝、瞑想しているとき」などがありました。つまり、人間は食べることよりも、より幸福を感じられることがたくさんあるのです。
こんな経験はないでしょうか?親しい友人と食事をしていると、ついつい食べる事そっちのけで、話し込んでしまう。これは、食べることよりも、話すことが幸せであるというこの論文と合致します。
このように、食べることよりも、好きなこと、楽しいことを見つけ、そちらをすることで、食べることを忘れ、抑制することができるのです。
私は、食べたい!と思ったとき、それ以外のことをしようとします。論文のランキング上位にあることや、その他好きなこと。本やマンガを読んだり、気のままにネットサーフィンするのもいいでしょう。すぐにできなければ、好きな事をして楽しい自分をイメージします。そうすることで、食べることに対する欲求が減ります。
このようにして、欲求を減らし、食べる気持ちを下げることで、我慢へのハードルが下がり、私のような忍耐力のない人間でも、結果的に我慢することができるのです。
我慢の性質を知る
シェイクスピアの言葉にこんなものがあります。
今晩一晩は我慢しなさい。
そうすれば、この次はこらえるのが楽になる。
そして、その次はもっと楽になる。
実行してみると、これが真実であることが分かります。「あー!ケーキ食べたい!」と思っても、今晩だけは頑張って、我慢してみます。すると、翌日、ケーキ食べたいという気持ちが残っていたとしても、その気持ちは弱まっています。翌々日なんかは、欲求がずいぶん小さいものになっている自分に気付きます。
我慢が大変なのは、一番最初で、次からは楽になっていく。ということを知っていれば、ギリギリのところで、踏ん張りがきくようになります。
「あー食べたい!でも!でも!」我慢するか、負けて食べてしまいアトピー悪化するか。こんな岐路に立ったその瞬間に、この言葉を思い返してみてください。きっと、歴史上の偉人、シェイクスピアがあなたを助けれくれますよ。
・開放日をつくる
→砂糖の種類と減らす方法 でも述べましたが、あえて、なんでも食べて良い日をつくります。この日をエサにすることにより、その他の日を我慢できるようにするのです。
なんでも食べてよい日を、開放日と私は呼んでいます。我慢からの解放です(笑)期間は2週に1回がやりやすい期間でした。これ以上延ばしてもよいのですが、短くするとだんだん頻度が上がっていく傾向にあったため、2週間はあけてください。
この開放日は、何を食べても良いのです。ウキウキです。どこに食べに行こうか、何を食べに行こうか、あるいは、何を作って食べようか、考えるだけでワクワクします。
開放日があると、日常にもメリハリがつきます。開放日のために、通常日は我慢する力が上がります。もちろん、開放日の後は、アトピーは悪化します。悪いものを食べているのですから。しかし、漫然と悪いものを食べ続けるよりは、普段の我慢のご褒美をあらかじめ決めておくことにより、結果的に悪いもの摂取量を下げられます。
「食べることが生きがい。」「好きなことは食べること。」アトピーの患者さんと話していると、よく耳にするフレーズです。それもそのはず、食欲は、性欲、睡眠欲とともに人間の3大欲求に数えられるほど、本能的な欲求です。食べれば欲求は満たされ、脳は幸福感に包まれます。これを克服することは、容易ではありません。