油(油脂)の種類 飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸を理解しアトピー治療に役立てる

油(油脂)の種類

 

ここからは少々細かい話をします。
面倒な話は嫌い!という方は、まず結論を書いておきますので、それ以降は読み飛ばして頂いてかまいません。

 

現在アトピーの症状がある人は
普通の油(動物油、植物油)はできるだけとらずに、
DHAまたはEPAをサプリメントか医薬品で摂りましょう!
また新鮮な魚を食べ、こちらからもω-3系を多く含む脂肪を摂取しましょう!

 

ちなみに、現在私は、EPAをサプリメントからとっています。

 

読み飛ばす人はこちらへ!→肉(タンパク質)の話! 

 

 

では細かい話に行きます。

 

さて、油なのですが、2つの分類を紹介します。

 

@飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸の2つ
A動物性脂肪、植物性脂肪、魚介類の脂肪の3つ

 

厳密にはもっと幅広い分類法があるのですが、アトピーに必要なのは、この分類です。

 

@飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸
脂肪酸とは、脂肪を作っている成分です。
化学の話になるのですが、脂肪酸は主に炭素Cと水素Hと酸素Oの結合の連続によって成り立っています。
脂肪酸は炭素Cが主として連なっており、そこに水素Hや酸素Oがくっつき、形を作っています。
そして、この炭素同士の結合により、飽和か不飽和かが決定されます。

 

飽和脂肪酸は、すべての炭素同士の結合が、単結合(一本の手で結ばれている形)です。

 

不飽和脂肪酸は、基本は炭素同士の結合が、単結合なのですが、一部が二重結合(二本の手で結ばれている形)です。
また二重結合の位置により、ω(オメガ)-1、ω-2、ω-3というように、番号を付ける方法があり、これによって名前が付きます。
例として、魚の油に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)はω-3系不飽和脂肪酸といい、植物油に含まれるリノール酸はω-6系不飽和脂肪酸といいます。

 

飽和、不飽和は、それぞれ性質が異なります。
飽和脂肪酸は、炭素同士がすべて単結合なので、分子がまっすぐに伸びており、分子が多数並びやすい構造をしています。
しかし、不飽和脂肪酸は、二重結合があることにより、その部分で炭素同士が結合している鎖が折れ曲がってしまうため、分子が並びづらくなります。
分子が並びやすいものほど融点(個体と液体の境目)が高くなるため、飽和脂肪酸は不飽和脂肪酸よりも融点が高くなります。
融点が高い方が、高温から低温にさげていくと、早く液体から個体になります。
よって、常温では、飽和脂肪酸の多い脂質は個体であり、不飽和脂肪酸の多い脂質は液体になるのです。
つらつらと説明しましたが、要は、
飽和脂肪酸は常温で個体
不飽和脂肪酸は常温で液体
ということです。

 

A動物性脂肪、植物性脂肪、魚介類の脂肪の3つ
・動物性脂肪
その名の通り、主に動物(陸上動物)の脂肪です。
代表的なものにラード(豚脂)やヘッド(牛脂)があります。
想像してもらうと分かるのですが、ラードやヘッドは常温で白い個体ですよね。
つまり、主に飽和脂肪酸が多い脂質です。ちなみに不飽和脂肪酸もちょっとは入っているのですが、少量であるため、メインの性質は飽和脂肪酸になります。こいつは、一般的に多くの病気のもとになることが示唆されており、悪い奴です。

 

・植物性脂肪
主に植物の種などからとれる脂肪です。
なたね油やごま油、大豆油やコーン油などがこれに当たります。
これらには、ω-6系不飽和脂肪酸のリノール酸が多く含まれており、常温で液体のものがほとんどです。
このリノール酸なのですが、「血液をサラサラにする、動脈硬化を防ぐ」と信じられ推奨されてきました。リノール酸と聞くと、いいイメージを浮かべる人も多いのではないでしょうか?
このリノール酸神話は戦後急速に普及し、日本の植物性油脂の消費量はどんどん伸びていきました。しかし、それに比例して、アレルギー疾患や心臓病、脳梗塞などの疾患は増えていきました。
このリノール酸が体に良いことを証明しようとして、大規模な追跡調査がされたことがあるのですが、結果は逆で、動脈硬化や心臓病を増やすという結果でした。
よって、たくさんとれば、良い油ではないです。
むしろ、これらの過剰摂取が、アレルギーのもとになっています。
よって、アトピーの方は、植物性油脂は控えましょう。

 

・魚介類の脂肪
主に、魚の油に含まれる脂肪です。
DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの脂肪酸が多く含まれる脂肪です。
これらのDHAやEPAはω-3系不飽和脂肪酸です。
このω-3系は、体内でアレルギー反応や炎症を鎮める働きがあります。
そうです!私たちがとるべきは、これらω-3系を多く含んだ脂肪です。
このω-3系なのですが、非常に光や熱に弱く、酸化し、悪性の脂肪に変わってしまいます。
また、魚からとれる量も限られているため、魚+サプリメントまたは医薬品で、とることをおすすめします。

 

私は、動物性や植物性油脂の過剰摂取により起こるアトピーの人においては、このω-3系の脂肪酸や魚の油を積極的にとり、それ以外の脂肪は控えるべきだと考えています。
飽和脂肪酸や、ω-6系脂肪酸も体には必要じゃないの?
という疑問を持つ方も見えるとは思います。しかし、魚の油には、ω-3系以外の飽和脂肪酸やω-6系脂肪酸も少量含まれており、摂取できます。過剰状態のアトピー患者ならこの程度で必要量はカバーできると思いっています。

 

私も、アトピー治療中は、料理で脂肪は使わないことはもちろん、あらゆる食品の成分表示を見て、「食物油脂」と書かれたものは、すべて食べないようにしていました。
また、DHAの医薬品であるエパデールを毎日摂取し、新鮮な魚も積極的に食べるようにしていました。

 

まとめると、
アトピーの原因になる、動物油や植物油は控えましょう!
そして、必要な脂肪酸であるDHAやEPAなどのω-3系不飽和脂肪酸をサプリメントや医薬品からとりましょう!
また新鮮な魚を食べ、こちらからもω-3系を多く含む脂肪を摂取しましょう!
 
という結論になります。
ちなみに、魚を推奨しているのは、良質なたんぱく質を含んでいることも理由になります、タンパク質については、こちらにまとめました。

 

肉(タンパク質)